農業・地域密着型金融への取組み(JAバンク自己改革)
当会は,JAバンクならではの金融仲介機能を発揮するため県内JAと一体となり,本県農業の発展と農家所得の向上を金融・非金融両面から取り組み,農業資金残高のシェア向上および担い手満足度向上を目指します。そして,農業と地域・利用者をつなぐ金融サービスの提供と地域貢献に取り組んでいます。
また,新型コロナウイルス拡大やウクライナ情勢悪化に伴う原油価格・農業資材価格等高騰により影響を受けるお客さまからの融資等相談に対応しています。
地域農業活性化への取組み
農業担い手のニーズに応えるための態勢整備
当会は,経営相談機能強化に向けた取組みをサポートすべく,県内JAに農業担い手金融リーダーを設置し,農家組合員宅や農業法人等への同行訪問,借入相談の支援を実施しています。(2023年4月1日現在,17JA,56名)
2022年度は,県内全体での農業担い手金融リーダー会議や個別JAごとに農業メイン強化先への訪問実績検討会を開催し,信用部門と営農・経済部門との連携促進に取り組み,農業者への訪問活動の強化に努めました。その結果,JAでは農業者メイン強化先へ1,899先,当会アプローチ先へは52先に訪問活動を実施しました。
また,担い手の抱える経営課題の解決と,農業所得の向上に向けたソリューションの提案にむけた「担い手コンサルティング」に取り組み,当会取引の農業法人2先に導入しました。
JA営農・経済事業の成長・効率化
農業所得の増大と,JA営農・経済事業の成長・効率化による採算性確保の実現を図る取組みとして,県域施策【「JAグループ茨城 営農経済事業マスタープラン」の更なる実践にむけて】を策定し,2022年度は県内2JAに導入し,各連合会と協働した一体的なサポートを実践しました。
農業者への金融支援
当会および県内JAは各種プロパー農業資金を提供するとともに,農業近代化資金や日本政策金融公庫資金等の制度資金の取扱いを通じて,農業者の農業経営をサポートしています。
設備資金には,「新認定農業者育成特別資金」,「農業経営拡大資金」,運転資金には「営農ローン」等をご用意しています。加えて,多様化する農業者の資金ニーズに対応するため,設備資金と運転資金の両方に対応できる「アグリマイティー資金」を創設しました。
また農業者支援事業として,「新認定農業者育成特別資金等に対する利子助成および保証料助成」,「農業近代化資金に対する保証料助成」の2つの事業を実施しています。
農業者のPR支援
農業法人をはじめとする県内食農関連企業の認知度向上・取引拡大を図るため,当会ホームページ内に「県内食農関連法人のご案内」ページを2023年3月に開設し,2023年6月末現在,27先を掲載しています
また,農業者のホームページの作成・改修等にかかる費用助成を2023年2月より開始しました。
融資取引先等へのビジネスマッチング支援
農業生産法人および食農関連企業との取引拡大を図るべく,ビジネスマッチングに取り組みました。
農業生産法人の拡販ニーズと,県内小売店における「茨城県産加工品」の調達ニーズを受け,商談機会を設けビジネスマッチングを2件成約しました。また,県外和菓子業者の原料調達ニーズを受け,県内JAとのビジネスマッチングを1件実施しました。その結果,商品の陳列・販売に繋がりました。
さらに,JAバンクの取引先である農業法人同士のマッチングにより,双方の農産物を使用した新商品の開発に繋がりました。
飼料用米生産拡大に向けての取組み
当会および県内JAは2022年度産の飼料用米生産拡大に向けて,生産者が安心して取り組めるよう,水田活用の直接支払交付金が交付されるまでの短期のつなぎ資金(JA交付金等つなぎ資金)を創設し,生産者の資金需要に応えるとともに,需給均衡による米価の安定を支援しました。
災害資金等
当会および県内JAはウクライナ情勢悪化に伴う原油価格・農業資材価格等高騰の影響を受けた組合員のみなさまを対象に「ウクライナ情勢に伴う原油価格・物価高騰等対策資金」を創設し,資金繰りを支援しました。
県内JAの主な農業資金の取扱状況(2023年3月31日現在)
(単位:百万円)
資 金 名 | 当会および 県内JAの 取扱残高 |
資金の内容 |
---|---|---|
新認定農業者育成 特別資金 |
5,193 | 認定農業者の農業経営に関わる一切の資金 |
農業経営拡大資金 | 5,098 | 農業経営に関わる一切の資金 |
アグリマイティー資金 | 425 | 農業経営に関わる一切の資金 |
農業近代化資金 | 2,795 | 施設・機械の取得,果樹の植栽・育成,家畜の購入・育成,長期運転資金等 |
JA営農ローン | 415 | 営農に必要な資金(運転資金) |
就農施設支援資金 | 82 | 農業経営を開始する際に必要な機械,施設または資材の購入等に必要な資金 |
農業改良資金 | 100 | 新たな農業部門・農産物加工事業を始めるための資金 |
取扱実績(2023年3月31日現在)
(単位:件,百万円)
資 金 名 | 件 数 | 金 額 |
---|---|---|
JA交付金等つなぎ資金 | 234 | 1,225 |
JAバンク茨城農業災害資金 (ウクライナ情勢に伴う原油価格・物価高騰対策資金) |
43 | 119 |
各種助成実績
(単位:件,百万円)
事 業 | 対 象 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
件数 | 金額 | 件数 | 金額 | 件数 | 金額 | ||
利子助成 | 新認定農業者育成特別資金 等 | 6,411 | 55 | 6,515 | 58 | 7,820 | 64 |
保証料助成 | 新認定農業者育成特別資金 | 1,017 | 17 | 798 | 13 | 805 | 13 |
農業近代化資金 | 59 | 6 | 65 | 9 | 110 | 11 |
中小企業等の経営改善および地域の活性化のための取組み
農業者等の経営支援に関する取組方針
農業者等の経営支援に関する態勢整備
当会では,お客さまからのご融資にかかるご相談の窓口を営業部および農業部に設置し,各種相談を受け付けています。
<ご相談窓口>
店舗名 | 所在地 | 相談窓口 | 電話番号 |
---|---|---|---|
本 店 | 茨城県水戸市梅香1-1-4 | 営業部 | 029-232-2031 |
農業部 | 029-232-2033 |
受付時間:月~金曜日 午前9時~午後5時 (金融機関の休業日を除く)
※貸出条件変更等に係るご意見・苦情については,当会総務部にてお受けいたします。
<苦情相談窓口> 電話番号:029-232-2015
受付時間:月~金曜日 午前9時~午後5時 (金融機関の休業日を除く)
経営者保証に関するガイドラインへの対応
経営者保証に関するガイドライン研究会(全国銀行協会および日本商工会議所)が公表した「経営者保証に関するガイドライン」を踏まえ,態勢を整備のうえ,本ガイドラインを遵守しています。
当会は,本ガイドラインに基づき経営者保証に依存しない融資の一層の促進に努めるとともに,お客さまと保証契約を締結する場合やお客さまが本ガイドラインに則した保証債務の整理を申し立てられた場合は,本ガイドラインに基づいて,誠実に対応するよう努めています。